国税庁がパブコメ発表

競馬のハズレ馬券は経費になるかで巷を賑わせたニュースがありました。ギャンブル・競馬好きの方、それ以外の方も耳にしたことだと思います。

国税庁は、最高裁判所が下した判決を受けて、競馬の外れ馬券の税務上の取扱いに関する通達の改正案を公表しました。

原則的に「一時所得」に当たる馬券の払戻金ですが、ハズレ馬券も経費となる「雑所得」となる可能性もあるのです。

では、どのように、どれだけの馬券を購入したのであれば、ハズレ馬券も経費とできる「雑所得」で落とせるのか、興味深い内容になっています。

 

国税庁「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」

https://www.nta.go.jp/information/other/data/h30/keiba/index.htm

 

一時所得か雑所得かで大きな格差

馬券の払戻金が所得区分の一時所得に該当するか、それとも雑所得に該当するかで、実は、税金の金額が大きく変わるのです。つまり、それぞれの所得区分で馬券の経費として認められる範囲が大きく変わってくるのです。

一時所得であれば、当たり馬券の収入に直接要した金額のみが経費と認められるため、当たりの収入に結び付いていないハズレ馬券の購入費用は経費に当たりません。

これに対して、雑所得では経費の範囲が一時所得と大きく格差があって、その他業務上の費用の額として、当たり馬券のみならず、外れた馬券の購入費用も含まれるのです。

上記のパブコメでは、自動購入ソフトウェアを利用するか、「予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組み合わせにより定めた購入パターン」で、「年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入」し、「回収率が100%を超えるように馬券を購入し続けてきた」という条件に限って、馬券の払戻金を雑所得となりうると国税庁は考えています。

 

具体的には、馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合は、雑所得に該当すると考えます。

上記の国税庁サイトより抜粋

 

分岐点のポイントは?

具体的なポイントは下記の3つされています。

  1. 個々のレースを予想するのではなく一定のパターンに従っていること
  2. ほぼ全てのレースで馬券を購入すること
  3. 年間を通じて確実に利益を上げていること

最高裁判所の判決でも、継続性や、個々のレースに着目しない網羅性などが雑所得として認められるための重要項目として挙げられていたことを受けてものでしょう。

たまに競馬場に出かけて競馬をする人は関係ない話かもしれませんが、システム投資で競馬をやる方は要注意ですね。