司法書士の資格概要
司法書士とは、他人の依頼を受けて、登記・供託手続きにおける代理手続き、裁判所・検察庁・法務局に提出する書類の作成を業とする。 また法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所が管轄する民事事件の代理を業とします。
具体的には、登記、または供託手続きの代理、法務局等に提出する書類の代行、裁判所等に提出する書類の代行などがあります。
さらに、2003年4月から、簡易裁判所の訴訟代理権が与えられ、裁判業務ができるようになっています。現在では、判断能力の低下した高齢者や障碍者の方々の権利を守るために、成年後見業務等に業務範囲が拡大しつつあります。
司法書士のキャリア形成
資格取得後、司法書士事務所や法律事務所などで実務経験を積むことになります。そのまま勤務するパターンもありますが、独立開業することが基本的なコースとも呼べそうです。もちろん、資格を武器に、一般の事業会社に勤めることも可能です。
司法書士の業務は多岐にわたっており、様々な企業にいろいろな角度からサービス提供ができると言えます。一例をあげると次の業務が挙げられます。
・ 登記業務
不動産の所在や大きさ、所有者などの権利関係を登記記録という公簿に記録する不動産登記や会社の事業内容、 資本金、役員などの記録を行う商業登記業務があります。
・ 供託業務
供託とは、供託書と呼ばれる公的機関に金銭を預ける制度であり、司法書士に手続きを依頼することが多いです。
・ 成年後見業務
20歳以上の成年者で判断能力が不十分な方の意思を補完するために後見制度があり、司法書士は財産、権利を守るためにサービスを提供しています。
・ 裁判業務
前述したとおり、2003年4月より簡易裁判所の訴訟代理権が司法書士に与えられています。
・ 遺言相続業務
遺言相続に関する相談業務、相続登記業務など、相続全般にわたる業務を行います。
将来性
平均年収は、1400万円と言われ、高給が望めます。司法書士以外にも、行政書士、社会保険労務士、税理士の資格も保有し、業務領域のさらなる拡大を目指されている方々もおられます。ダブルライセンスで、ワンストップの法務系サービスを提供することが可能になり、様々なバリエーションの開業ビジネスが可能になると考えられます。
試験概要
【 受験資格】
国籍・年齢・性別・学歴・職歴を問わず誰でも受験できます。
【試験地】
北海道、宮城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、香川、福岡、熊本、沖縄
【受験日】
年1回/8月下旬
【試験科目】
午前の部は、多肢択一式で、科目は、憲法、民法、商法(会社法その他の商法分野の法令を含む)、刑法
午後の部は、多肢択一式と記述式で、科目は、択一では供託法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法、不動産登記法、商業登記法から出題され、記述式では不動産登記、商業登記
【受験料】
9000円
【合格率】
3.4%
年度 H19 H20 H21 H22 H23
受験者数 26,860 27,102 26,774 26,958 25,696
合格者数 919 931 921 948 879
合格率 3.4 3.4 3.4 3.5 3.4