産業医(医者)に業務委託している場合

労働安全衛生法で、ドクターの先生(医師)に産業医として会社に来訪いただき、意見聴取などの法定業務を依頼されている会社もあるかと思います。

産業医の先生に支払う報酬や源泉税の徴収有無については、どのように考えたらよいでしょうか?

産業医の先生に支払う報酬について解説します。

 

労働安全衛生法で産業医の選任が必要

労働安全衛生法では、下記の通り、産業医の選任の義務付けが定められています。ある程度の会社の事業所規模になると、産業医の先生に定期的に会社に来訪してもらい、報酬謝金をお支払いすることになります。

原則として、労働者50人以上の事業所ごとに設置することが求められます。

【労働安全衛生法】

第13条(産業医等)
1 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医
師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める
事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。

 

 

個人開業の先生か、医療法人の勤務医の先生かで変わる?

依頼されている産業医の先生が、個人で独立開業しているドクターであるか、それとも医療法人に所属している勤務医の先生でえあるかによって変わってきます。

個人の開業医の先生である場合、原則として、給与として源泉徴収する必要がでてきます。一般的な報酬の源泉税(10.21%)とは異なる点に注意が必要です。

一方、医療法人などの法人に勤務している勤務医の場合、普通に考えるならば、医療法人との業務委託契約を結んでいると考えられます。この場合、源泉税の徴収は不要であると考えられます。

勘定科目としては、福利厚生費、給与などが考えられます。

 

消費税の取扱いは難しい

難しいのが消費税の扱いです。

消費税は国税庁のタックスアンサーにあるとおり、病院の勤務医に対しては課税取引で、開業医(個人)に対しては、非課税取引となります。開業医の場合は、給与収入となるため、消費税は非課税取引となるので注意が必要ですね。

 

【参考:国税庁タックスアンサー】

産業医の報酬

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/13/01.htm

 

ケイコ先生ケイコ先生

法人(勤務医)に依頼するか、開業医に依頼するかで処理が変わりますので、契約をしっかりと確認しましょう。